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石触徘徊人+g

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瑞牆山の情報など(石と言葉と微かな光)

鷲の再生(たいした話しでもないのにだいぶ長くなる)


十一面末端壁 鷲(田吾作) 1982.10.17 F:A 加藤泰平 諌山憲俊

1P目 5.11a5m 2P目 5.10d35m 3P目 20m 5.9

岩と雪98号より

 

 加藤泰平(2009.5ネパールヒマラヤ、クワンデにて死去、長らく私のBad(Best?)パートナーだった)

カッコして(田吾作)とあるのは最初に人工(エイド)で登られた後でフリー化されたためルート名も変更したためであろうと思われる。

途中経過として1P目が5.11aから5.10dにグレードダウン(岩と雪121号付録ルート図集)

現在最新のトポ(瑞牆クライミングガイド上)によると1~2P目を通して1Pとして5.10dと記載されていて

『コーナーが草だらけで長らく登られていない』とある。


そう、このルートは現在平日でも訪れるクライマーが絶えない人気エリアでありながら

クラッククライマーの人気エリアになる前に自然に還ったため、今や誰も登ることのないルートとなってしまったのである⤵︎


 数年前に末端壁上部にある、やはりアプローチが悪く誰も登らない泰平さんの遺作

トラベルチャンス(5.11b F:A 加藤泰平 平松啓伸 1985.11) の下部にルートを開拓して

マルチルートとしてトラベルチャンスを復活させたいと思っていたところ

同じ試みをすでに始めていたガメラがお膳立てしてくれ、ルートを完成させることが出来た。

ルート名はガメラ曰く『帰ってきた田吾作』

「え~ダサい!?でも…納得かも」

泰平さん自身が当時田吾作と呼ばれていたらしい。


 そして、加藤泰平が寂しげに見上げた草ぼうぼうのコーナークラック、鷲(田吾作)が次の課題として思い浮かんだ。

「あれの再生は俺の仕事かなぁ」そんな気がした。

だって『鷲』の下を通る度に泰平さんの寂しげな顔を思い出すのもイヤだしね。

それに自然に還るのは、そういうルートが持つ宿命だと思っていたけれど

近年のクラッククライマーの増加を見ていると、もう一度再生させて

そのルートの価値の是が非を時の移り変わりに問うのもいいかなって思ったりしてね。


 さて、さすがに30年ぐらいの間放置されていると岩茸は立派に育つは

草がぼうぼうで根っこは泥で潤ってるは、苔と地衣類は存分にはびこるはで

掃除は新ルート開拓以上に大変だった。

(おかげで指がつる癖がついてしまった⤵︎それでも7割ぐらいの仕上がり?)

2P目は泥が詰まっているものの登るのに支障がない程度には落とした。

1P目(当初の2P目)終了点にボルト1本打ち足し

出だしのボルト3本は打ち換えた(3本目リベットボルトは60mロープラッペル用にあえて残置)

途中のハーケンと旧1P目のビレイ用ハーケンとカラビナは撤去

出だしの外れそうなガバボールドは既存ルート保護のため接着剤で固めた。(個人的にはグルーイング反対!)

*(まだ外れる可能性があるので必ず1本目のボルトにクリップを!)

あとはもしかすると貯金箱のテラスと呼ばれた1P目終了点を復活させるかもしれないけど

*(1P目は35mあるので60mロープだとロワーダウンができないため、3本目のボルトで一旦切る必要がある)

でもとりあえず登れるのであとは各自掃除よろしく!


 さてルートだが

これがなかなか内容が良い!

今まで登れなかったことが残念なぐらい面白い。

旧1P目はガメラの怪しい情報だと簡単だと言ってたけど、なかなか悪い。ホールドが一部欠けた可能性もある。

グレードは5.11b 核心部は5mぐらいで、そこを抜けるとこれが貯金箱?と思われる深いポケットで休める。

旧2P目は変化に富んだコーナークラックでグレードは5.11aぐらいだけどクラックの総合力が足りないと辛いだろう。

その1Pと2Pを通して1P目とした。グレードは5.11c 35m 終了点小テラスあり

2P目はルート名の由来にもなった鷲型フレークのレイバックから右にトラバースして大テラスへ 

5.9+ぐらいだが少々ボロいので手元足元注意がいる。


まとめ

1P目5.11c 35m C05-4×2+C05-1 (最後傾斜が落ちてからも意外と長い)

2P目5.9+ 20m C05-4(あくまで参考程度に)

ルート図は瑞牆クライミングガイド上巻を参照にしてね

 

 最後に

基本的に人様のためにクライミングに関わる気はないのでルートの再生も自分のため。

よって折角自然に還ったものをまた荒らしてとか言われたらごめんなさいだし。

ご苦労様って言われても、それは違う気もするが感謝はしておきたい。

手伝っていただいた方々や一緒に登ってくれたうちださん

そして何より泰平さんと諌山さん。


でも、草をひたすら掘り出しながら掃除に没頭していると、まるで田吾作だよなと思えてきて(農家の方すみません)

泰平さんと諌山さんの楽しげな会話が聞こえてきて、それに加われた様な気さえして結構楽しかった。


 泰平さん待たせたね、次はいつまで続くかな?


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1P目出だし5.11b
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1P目中間部
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2P目最後の方
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貯金箱のテラスビレイ点見つけ!
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泥じゃ
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岩茸じゃ
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ずっと汚いのじゃ



by gecko-2005 | 2017-06-21 15:50 | 瑞牆のルート情報