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石触徘徊人+g

gecko2005.exblog.jp

瑞牆山の情報など(石と言葉と微かな光)

落葉

落葉 5,12b PD しじま谷 2008/11
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このルートは、しじま谷の最上部、チムニーのトラベルチャンスの右にある。
ほぼ垂直のカンテラインにからみつくようにして多彩な技術を使い登る。
全てナチュラルプロテクションである。
発表当時はPD(プロテクション、ディフィカルト、つまりプロテクションを決めるのが難しい)
という表記が無かったため
5,12b/R(ランナウトorリスキー)としたが、正確にプロテクションを決める事が出来れば
Rは付かないだろう。(しかしこういうのって誰かが何度も落ちて試した訳じゃないから?だよね~)

出だしクラックまではプロテクションは取れないが、下地がわりといいため問題はあまりないだろう。
尚、カンテの右から入る事も出来、やや簡単になるが落ちるとヤバいのでおすすめは出来ない。
最初のボルダームーブをこなしてクラックを回り込んだら。
水平ポケットベルトを左にトラバースしてスタンスに立ち上がる。
甘い溝状フレークに一カ所スモールカム(C3キャメ#00)が決まる。
核心はそこからチョックストーンを押さえ込むまでの数手。
チョックストーンにカムを決めたらハング状になったそれに左から乗り込む。
もう一つチョックストーンを乗り越えて終了。
ボルダー、クラック、ハンドトラバース、カンテ、ハングと実に多彩。
途中レストポイントが多いが、それがまた次に行く事を躊躇(ちゅうちょ)させていやらしい。

当初グラウンドアップでボルトを埋めて登るつもりだったが
結局ラッペルで掃除後プロテクションとムーブを確認して登った。
全てN.Pと言う事で再登者も同じ条件でトライする事が出来るルートとして残す事が出来た。
だけどそれが自分にとって、いいことなのかどうなのか実はよく判らない。
ラッペルをなんらかの形で使い、ルートを完成させる
それが、ボルトをグラウンドアップで打つ事よりも心にひっかかる。
しかし、ルートを公開して知らない誰かと共有する事としてはいいことだろうとは思う。
誰にでもという訳にはいかないだろうが、私としては珍しくお勧めのルートである。
もしこれがボルトルートだったら多くの人が楽しめるのだろうが
これはクライミングルートであるから、多くの人が楽しめる必要は全然ない。
でも、「トップロープでいいからやってみて~絶対面白いから!」と言いたいルートではある。
(言わないけど)

その秋、しじま谷に向かういつもの踏み後を辿っていた。
先週の踏み後は紅く落ち葉に隠れ、今まで感じる事がなかった美しさを感じた。
毎年落ちては最後の美しさを見せて枯れてゆく落ち葉。
やがて土に戻り姿を変えては次の世代に引き継いでいく。
そのあるべき姿が心にしみて、美しさを感じたのかもしれない。
その日、核心手前のスタンスに立ち込み見上げた先に落葉が舞っていた。
妙に心が落ち着いていたのは、そのためだったのかもしれない。

クライミングは落ちるからこそ美しい。
それが登れたと言える全ての意味だろう。
今では常にじゃなくなってきたが、ときどきそれを受け入れていたいと思う。

ビレイしてくれたタイヘイさんを始め
みなさんその節はありがとうございました。
by gecko-2005 | 2010-04-21 21:47 | 瑞牆のルート情報