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石触徘徊人+g

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瑞牆山の情報など(石と言葉と微かな光)

不埒な仁義

不埒な仁義 5,12a N.P&B (ふらちなじんぎ)2008/11
ダイワハウチュの岩場 

取り付きは壁のほぼ中程、クラックが見えるからすぐ分かるだろう。
ゆるい段傾斜を登りクラックに取り付く。
クラックの手前にキャメの#2が決まる。
クラックの出だしやや被り気味で最初の核心はここになるだろう。
クラック自体はそんなに難しくないがプロテクションも決めづらいので
リードするとかなり悪い。クラック部分は5.11b/cに感じた。
クラックは途中で消えダイクに立ちこんでからはボルトスラブとなる。
終了点が樹に残っている。50mロープだと最後クライムダウンになるので要注意。

e0010166_14565061.gif

 そこには誰もいなくなった晩秋、シーズン最後のミズガキに訪れた。
日溜まりにわずかに暖められた岩場で、心地よかったのを覚えている。
そのときは軽くイワタケを払いながらラインだけを読み翌年トライした。
しかし実際には最後ラインからはずれてしまう事になるのだが。

翌年、下から攻める。
壁の真ん中までクラックがある事と上部の傾斜から、ぎりぎりグラウンドアップで
登れると感じていた。
やる気満々でギアを肩にかけロープを結び靴を履こうとしたが、何故か靴が無い?
「よ~し行ってこい!」とビレイ体制にはいってたタイヘイさんに
「今日はやめとこうかな~」
「なんだよ!」
みたいな不可抗力の出来事があったあと
車まで靴を取りに戻りSさんビレイで仕切り直し。
なんとかクラックを抜けダイクに立ちこみハンマードリルを片手と口で引き上げ
プルプルし始めた腕でボルトを埋める。
「あ~限界ま近、やばかった~」
上で掃除をしつつ、その様子を見ていたタイヘイさんの目が
「エラいけどオマエバカと言っている」
そうそう、なんだってグランウドアップで開拓する必要があるのだろうか?
ルートを誰かの為につくるのなら、そんなやり方は意味が無い。
ボルト位置だってよくないし、再登者には伝わらない。
でも、基本クライマーは自分の為に岩を登らなければならないと思っている。
つまり説明はともかくやりたいようにやるべきだ。

スタンスからスタンスへボルトをつなぎながら詰めて行く。
でもその日は雨が降って来て水入りとなった。

その時いろいろと分かった事があった。
ドリルをスタンスに立ってから引き上げるのは実に大変だと言う事。
それで、次はドリルを肩に掛け持って登る事にした。
落ちたら最悪身体に刺さるかもしれない。
その時の止血はやっぱりボルトを埋める事だろうか?などと滑稽な姿を想像しながら
前回のスタンスから次のスタンスへ。
バリバリバリ 
次のスタンスへ
バリバリバリ
次のスタンスへ、あれ?
悪い。
いやムーブは悪くないがラインが悪い。
落ちたら振られる。ドリルが刺さる。ヤダ。
で、掃除してない直上を選ぶ事とした。
クライマーの感で、あとはボルトレスで行けると判断、ドリルを残し突っ込む。
きわどいバランスを保ちながら垂直面を抜け、右に見える樹にコケの上をじわじわトラバース
細い枝を掴んだところで足が少しすべり枝が折れる。
「あれ~!」思わず声が出てしまった。
しかし、なんとか踏みとどまり樹に抱きついた。
結局そこは掃除をせずに後からボルトを打ち足す事にした。
(あれ?誰のため?)

 このルートからはいろいろと教わった。
グラウンドアップでの効率の良いボルトの打ち方。
楽しめるかどうかの難しさの見極め。
とくにルートとしての完成度に関しては疑問が残ったまま。
スタンスごとに打たれたグラウンドアップボルトルートがいいのか
ラッペルリハーサルによるナチュラルプロテクション主体のルートがいいのか
自分の問題だと言いながら次にトライするかもしれない誰かの為に
ちゃんと取り返しの付かないよう選択する必要があるのかもしれなかった。


まあ、言っちゃなんだけど
これもグラウンドアップでやってみたから、あれこれ言える事だと思う。
あるべきリスクを受け入れる
それがクライマーとしての仁義だと思う。
たとえハンマードリルという不埒な道具を使ってでも。
by gecko-2005 | 2010-04-17 00:14 | 瑞牆のルート情報