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石触徘徊人+g

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瑞牆山の情報など(石と言葉と微かな光)

カエルたちの恋の事情

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島にいった。
島はいつも特別だ。

だから
天気が悪くても
岩登りが出来なくても
がっかりしたりはしない。

雨あがり
海につづく排水路から
遠くで鳴く犬のような声が聞こえてきた。
覗き込むと大きなヒキガエルたちが集まり
淫美な腹を見せながらもつれあっていた。
水のなかは命の帯のようなトコロテンだらけだ。
わずかな成長の可能性を量でおぎなおうというのか?
生命の薄利多売に思えなくもないが
それがヒキガエルたちの進化の事情なのだろう。

なかには水の外をズルズルと産み落とした排卵の軌跡があり
淫美を越えて悲惨でもある。
オスのあたまの中も
メスのあたまの中も
恋の命令に忠実に従うがゆえの修羅場が絵を結ぶ。

私の岩登りにまだいくらかの狂気が残っていたとき
その記録の痕跡はこんなふうに
ある意味悲惨な命の放出に見えなくもなかった気がする。
今ではもう、すっかり季節はすぎてしまって
恋のわけの分からない熱さも忘れてしまったが。

幾つかの卵は奇跡のような必然に支えられ
また翌春ここに戻ってくるのだろうか?

まあ、ヒキガエルの気持ちなど
分かりたくもないのだが
けっこう奴らが好きである。

たくさん戻って来るといいなあ。

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by gecko-2005 | 2010-02-20 22:04 | 僕らはみんな生きている