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石触徘徊人+g

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瑞牆山の情報など(石と言葉と微かな光)

v.sオオスズメバチ その1

ちょっと気分を変えた話でも

先日九州を旅してていろいろな事を思い出した。
やはり人生迷ったときは原点に返るべきかもしれない。
いや〜迷うほどがんばってないのだが、フリーズ状態が最近多いのはたしか。
だから書き記しながら再インストールして記憶の再構築につとめ
それぞれの記憶に意味を持たせて次の一手を探し出したいと思う。
記憶の芯に叩き込んだものがどれだけがあるかで、くりだす角度の正確さは決まる。
そこんところは言葉もボルダームーブも成り立ちは同じ。
意味の無いものはそになかっただけ
意味のあるものはそこにあったから

で、思い出した記憶(それがこれなの?って思うけど)
オオスズメバチとの死闘!
それは我が人生において避けては通れないものだった。

(いやあ全然かかわらなくっても大丈夫だったかな〜)

さて、日本における野生生物による年間死傷者数が一番多いのはなんだか知っているだろうか?
それはオオスズメバチである。
クマでもなくヘビでもなくオオスズメバチなのだ。
体長4cm前後にもなるそいつはクライマーならよく目にするであろう
ハング帯に巣を作るキイロスズメバチなんかより全然大きく攻撃性も強い。
その毒性は集団で襲われるとショック死に至らしめるのはもちろん
単独で刺されても二回目にはアナフィラキシーショックにより死に至る事がある。
それに顔つきもメチャクチャ怖い。
マジ怖い!
私も少年時代はクワガタ虫捕獲マニアだったため何度もそいつに出会い
やむなく戦った事もあったが、そのときは敵は一匹か二匹であった。
それでも、そうとうビビった。
そんなオオスズメバチであるが九州ではクマンバチと呼ばれ
宮崎あたりではその幼虫が巣ごとスーパーで売られていて
家族の?食卓にあがる事もあるらしい。
つまり美味しいのだ(たぶん)
それに栄養価も高く滋養強壮効果もあり
とくに精力剤として抜群の効果があるというではないか!
(ふむふむ)
そんなわけでいろいろと気にはなっていたのだ。

そんなある日9月の末に九州にクライミングに誘われることとなった。
そして聞きつけた情報は、その季節は九州の往年の名クライマー達はクマンバチ捕りで忙しい!
願っても無い。何としてでも連れて行ってもらわねば。
そして師匠達のアドバイスに従って、いろいろとハチ捕り道具を作りそろえ
それらをかかえて九州の地へ降り立った私は
いきなり修羅場に連れて行かれることとなったのだ。

さて実は巣を探しだすまでがオオスズメバチ捕りの核心であり一番面白いところなのだが
私の記憶の核心はそこではなく、あの黄昏の死闘ともいえる場面だ。

あれは三度目のときだったか、そろそろハチ捕りにも慣れて来た私は
技巧派の師匠と二人で巣に向かう事になった。
通常は三人体制で巣に向かうのであるが、
もう一人の嗅覚派の師匠は子連れのため遠くから見守る事となった。
時は黄昏れ、やや急がないとハチが見えなくなる時刻
師匠は石垣の隙間に出来たハチ穴に慣れた手つきで、
口を切り落としたペットボトルの筒を差し込んだ。
こうすれば巣から出てこようとするハチはペットボトルの中に閉じ込められることとなる。
師匠は巣の中からハチ達をおびき出そうと入り口の周りの土を手でぽんぽんと叩いた。
そのときであった。
師匠のやや狼狽した声を聞いた。
「あっ!いかん!」
見ると巣の周りの土がくずれ、中の巣がむき出しになっていた。
Bu!u!u!u!u!u!u!u!!!!!
中に居たハチ達が一斉に飛び出て来た。
放り出したペットッボトルからもハチが出てくる。
外から戻るハチもいる。
その数あわせて約300匹!
我々二人は日本最強の敵と真っ向から立ち向かう事となった。

つづく

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土のなかにある巣を取り出そうとする師匠達

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こんなのは余裕であった

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取り出された巣
by gecko-2005 | 2009-12-22 23:04 | 僕らはみんな生きている

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